Vol.03の記事では、私たちが大切にしている「BLOF(ブロフ)理論」——自然の仕組みを科学的に活用する土づくりについてお話ししました。
「土の力を引き出し、農薬や化学肥料に頼らない」
その理論を、実際の田んぼでどう形にしているのか。
今年、私たちはこれまでの農業の常識を知る方ほど驚かれるような、ある大きな挑戦をスタートさせています。それが、「7月の超遅植え」です。
通常、この地域での田植えは5月〜6月が一般的。しかし、私たちはあえて時期を1ヶ月ほど遅らせます。「そんなに遅くて大丈夫?」と思われるかもしれませんが、これには確かな科学的根拠と、ミツバチと共に歩む養蜂園ならではの理由があります。
近年の夏は、人間だけでなく植物にとっても過酷です。6月に植えると、お米の赤ちゃん(穂)が出る時期がもっとも暑い8月に重なってしまいます。その暑さでお米が白く濁ったり、割れたりする「高温障害」を避けるため、穂が出る時期を涼しい9月下旬へとずらします。
お米がじっくりと美味しく熟成できる、最適な気温を逆算した結果が「7月」なのです。
春、ミツバチたちに豊かな蜜を届けてくれた「レンゲソウ」。私たちはこのレンゲを5月に土へ還しました。
約1ヶ月かけて土の中でじっくり分解させることで、微生物たちがレンゲを最高の天然栄養分(アミノ酸)へと変えてくれます。化学肥料に頼らず、「ミツバチの恵み」だけで育てる循環型農業の理想のカタチです。
田植えを遅らせることで、先に生え揃った雑草を一度きれいに取り除いてからスタートを切ることができます。これにより、その後の除草の手間を抑え、完全無農薬での栽培をより確実なものにしています。
私たちの田んぼでは、途中で水を抜いて土を乾かす「中干し」を行いません。
常に水があることで、そこはカエルやヤゴ、そしてミツバチたちが集う「生き物たちの聖域(サンクチュアリ)」となります。
「経験」や「慣習」も大切にしながら、今の気候に合わせ、科学的な視点を取り入れる。
それは、「次世代に胸を張って引き継げる農業」をつくるための、私たちの使命だと考えています。
常識にとらわれない、新しいお米づくり。
今年の88HACHIMAIがどんな味に仕上がるのか、私たち自身も今からワクワクしています。
前回の「BLOF理論(土づくりの理論)」と、今回の「7月植え(実践編)」の話しは前回の「BLOF理論(土づくりの理論)」とつながっています。前回の記事はこちらをクリックしてください。
ときつ養蜂園
お米プロジェクトチーム